リフォームで地震対策ができる?工事内容や費用相場を解説!

公開日:2022/04/15  最終更新日:2022/05/17

「地震大国」と呼ばれることもある日本において、災害への備えは必須です。そして、大震災が起こった際に被害を最小限に抑えるには住宅の耐震性が重要です。今回は、リフォームで地震対策を行う方法として「耐震リフォーム」を紹介します。耐震リフォームの費用や工事内容などについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

地震対策の種類

地震対策には大きく耐震・制震・免震が挙げられます。ここではその3種類について詳しく解説します。

耐震

耐震とは柱や壁、梁などの強度を高くして地震の揺れを物理的に防ぐ対策を指します。建物と地面を強く固定することで建物の倒壊を防ぐ方法ですが、地震の揺れがそのまま建物に伝わるデメリットもあります。

制震

制震は揺れを抑制するために使われるダンパーを使用し、揺れを吸収する方法です。振動を抑えることで住宅にかかる負担を減らし、建物の崩壊を防ぐことができます。また設置している家具や家電の転倒を防ぐ効果もあり、免震に近い働きをします。

免震

免震は基礎と建物の間に免震装置を取り付け、地盤と直接建物を固定しないことで地震の揺れを減らす仕組みのことです。しかし免震は横揺れの被害を減らす目的でつくられているため、震源地近くの縦揺れには効果を思うように発揮できないこともあります。

耐震リフォームに必要な費用は?

耐震リフォームにかかる費用は、およそ120~150万円とされていますが、工事内容によっては大きく額が変動します。ここでは工事内容について分けて費用を紹介します。

筋交いを施工する場合

筋交いや耐震専用金具を取り付ける場合、1箇所あたり、520万円ほどかかるとされています。1(182cm)の壁に筋交いを設置したケースでは、25万円ほどかかっており、壁0.5間に対して1015万円と考えておくと良いでしょう。

また外壁側から工事を行う場合には、外装を塗りなおす作業があるため、別途で35万円程度の費用が追加で必要です。

耐震パネルの設置

耐震パネルを設置する場合には、2565万円程かかります。耐震パネルを設置するには外壁材をいったん取り除き、耐震パネルと柱と基礎に取り付け、外壁材を付けなおす作業が必要になります。内訳は耐震パネル、防水シート、外壁材などの材料費が35万円、工事費用に30万が一般的です。

屋根の軽量化

耐震リフォームには建物の基礎や柱だけでなく、屋根のリフォームもあり、屋根の耐震リフォーム費用は80150万円程度で行えます。屋根の材質を軽量化することにより、住宅にかかる負荷を軽減することができます。

耐震リフォームで活用できる補助金・減税制度

耐震リフォームは高額なケースが多いため、地域によって補助金や減税制度があります。ここからは2021年度の新潟県の耐震診断・耐震改修工事の補助制度を例にとって紹介します。(現在2021年度の申請は修了しています)

対象住宅の条件

対象住宅の条件は以下の通りです。

・市の制度を利用した耐震設計を行い、その耐震設計に基づき耐震改修工事等を行う住宅

・耐震診断士による工事監理を行う工事であること

・申請者(所有者)が市税を完納していること

耐震改修工事の費用

・高齢者・障がい者がいる世帯

耐震改修工事を行う費用の3分の2以内、かつ150万円を限度

・上記以外の世帯

耐震改修工事を行う費用の3分の2以内、かつ120万円を限度

段階的耐震改修工事

・高齢者及び障がい者がいる世帯・第1段階

工事費用の3分の2以内、かつ90万円を限度

・高齢者及び障がい者がいる世帯・第2段階

工事費用の3分の2以内、かつ60万円を限度

・上記以外の世帯・第一段階

工事費用の3分の2以内、かつ70万円を限度

・上記以外の世帯・第2段階

工事費用の3分の2以内、かつ50万円を限度

まずは自宅の耐震性を知ることから始めよう

住宅は経年劣化で耐久性も耐震性も失われていきます。新耐震基準が定められた1981年以降に建てられた住宅でも年数が経っている場合には診断をおすすめします。

診断におすすめなのは一般財団法人日本建築防災協会が作成した「誰でもできるわが家の耐震診断」です。この診断サイトで自身の住宅の耐震を診断し、現状どの程度なのかを把握しましょう。診断結果で不安な部分が出てきた際には、一度工務店などに耐震診断を依頼し、プロによる診断を受けるのが賢明です。

建物の耐震性能を判定するには「一般診断法」と「精密診断法」の2種類があるので、ある程度分かれば良いからは一般診断法を、実際に内部の構造までもしっかり診断してほしい方は精密診断法を選択すると良いでしょう。

 

今回はリフォームでの地震対策として、耐震リフォームの工事内容や費用、補助金などを紹介しました。日本はいつ地震が来てもおかしくない島国です。常に地震に対して警戒し、住宅の耐震性を高めておくことが大切です。まずはネットで簡易住宅診断を行い、耐震リフォームの準備を始めてみてはいかがでしょうか?

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