床暖房リフォームで後悔しないためのポイントとは
床暖房の設置は快適な室内環境を実現する魅力的な選択肢です。しかし、後悔しないためには慎重な計画が必要です。この記事では、リフォームプロジェクトを成功させるためのポイントを探ります。予算、設計、施工業者の選定など、重要な要素を考慮し、理想的な床暖房を実現するためのアドバイスをみていきましょう。
床暖房とは
床暖房は、その名が示すように、床面からの熱を利用して部屋を暖める暖房方式です。
伝統的な暖房方式と比較して、床暖房は独特な快適さと効率性が魅力です。その仕組みや種類について詳しくみてみましょう。
床暖房の仕組み
床暖房は、主に「輻射熱」と「伝導熱」を利用して部屋を暖めます。
床下に敷設された熱源が床面を加熱し、直接体に触れたり空気を暖めたりすることで、快適な暖かさを提供します。また、「対流熱」も一部利用され、部屋全体の温度を均一に保ちます。
床暖房の種類
床暖房は大きく「温水式」と「電気式」の2つに区分されます。
温水式とは、温水を循環させて床を暖める方式です。熱源は電気、ガス、灯油、太陽光などから供給され、それぞれ導入コストや月額費用が異なります。一般的に、床暖房自体の導入費用は高めですが、長期的にみるとランニングコストが低い場合が一般的です。
一方電気式とは、床下の熱源に直接電気を通して床を暖める方式です。電気を利用するため、導入費用は温水式よりも低く、施工もほかの床暖房と比べると簡単な特徴があります。
床暖房の床材の選択肢
床暖房の床材には「分離型」と「一体型」の2つのタイプがあります。
分離型とは、熱源と床材が別々に設置されます。施工スピードはやや遅くなりますが、床材の種類を豊富に選ぶことが可能です。一体型は、床材の内部に熱源が組み込まれています。施工は迅速で、仕上げの種類も豊富です。
床暖房のメリット・デメリット
快適な室内環境の実現に効果のある床暖房システムですが、その導入には慎重な検討が必要です。
本格的に導入を検討する前に、床暖房のメリットとデメリットについて知っておきましょう。
メリット
床暖房は、床面からの輻射熱によって部屋全体を均一に温めることができます。
この特性により、壁や家具などの表面を直接温め、冷たさを感じにくくします。また、足元から温かさを感じられることで、体全体が温まり、とくに足元が冷えやすい人にとっては快適です。
さらに、床暖房は置き型の暖房器具と比べて安全性が高く、火事などの日常生活のリスクを減らすことができます。とくに、子どもやペットがいる家庭では、火傷の危険性が低いことが利点です。
使用中も空気の対流を最小限に抑えるため、従来の暖房器具のように空気中にほこりや花粉を巻き上げることなく、室内の清潔さを維持できるのは利点です。アレルギーをもつ人にとっては、症状の軽減にもつながるでしょう。
デメリット
一見、メリットばかりにみえる床暖房ですが、導入には多額の費用がかかります。
初期費用だけではなく、床暖房の使用には光熱費がかかるので、十分な予算を準備しておきましょう。また、床暖房は室内が乾燥しやすくなる性質があります。とくに、温水式の場合は、空気中の湿度が低下しやすくなります。
この乾燥は、肌や呼吸器に影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。さらに家具への影響についても注意が必要です。
たんす・テレビボードなどの床に触れる面が広い家具を床暖房の上に配置すると、熱がこもりやすくなり、床材のひび割れや変形、反りやひずみが生じ、傷みの原因となる場合があります。また、床暖房は温まるまでに時間がかかるというデメリットもあります。
とくに温水式の場合は、システム全体が十分に温まるまでに時間がかかります。そのため、即座に暖かさを求める場合には不向きかもしれません。
床暖房リフォームで後悔しないための対策5つ
リフォームで床暖房を後付けし、後悔する人が多くいます。
後付けで床暖房を設置する際には、慎重な計画と準備が欠かせません。以下に床暖房リフォームを成功させるための5つの対策を紹介します。
ほかの暖房器具と比較検討する
床暖房は足元から部屋全体を均一に温めることができますが、即効性を求める場合や特定の条件下ではほかの暖房器具が適している場合があります。
たとえば、急速な暖房が必要な場合はファンヒーターやヒーターが適しています。自分の生活スタイルや好みに合った暖房器具を検討し、床暖房が最適かどうかを考えましょう。
電気代・ガス代のお得なプランを確認する
床暖房を設置する際には、電気やガスの料金プランを確認し、コストを抑える方法の検討が重要です。
エネルギー効率の高い機種を選択したり、料金が安い時間帯に使用したりするなどの工夫で、ランニングコストを削減できます。
ライフスタイルを振り返る
床暖房は連続使用に適しており、こまめにオン・オフを繰り返すよりも、長時間一定して使用する方が効率的です。
自身のライフスタイルを考慮し、床暖房が適しているかどうかを検討しましょう。たとえば、長時間家にいる方や足元からの暖かさを好む方にはとくに適しています。
専門家に相談する
迷った際には、リフォーム店や専門家への相談が大切です。
専門家の意見を聞くことで、自分では気づかない観点からのアドバイスを得ることができます。リフォーム店に相談して、最適な暖房方法や機種を選択しましょう。
設置後の生活を想像する
床暖房の設置で、生活がどのように変わるかを具体的に想像しましょう。
設置後のメリットやデメリットを総合的に考慮し、暖房の効果だけでなく、床暖房が与える空間の印象や生活への影響も考慮が必要です。
まとめ
床暖房は、その独特な仕組みと種類の多様性から、快適な暖房方法として注目されています。温水式と電気式、分離型と一体型など、さまざまな選択肢がありますが、自宅の環境やニーズに合わせて最適なタイプを選ぶことが重要です。床暖房の導入を検討する際には、メリットとデメリットを総合的に考慮しましょう。快適さや安全性を重視する一方で、光熱費や初期費用、乾燥などのデメリットの考慮で、最適な暖房システムを選択できます。床暖房のリフォームを成功させるには、適切な対策を行いましょう。