空き巣はどこから侵入?リフォームで強化する防犯対策
空き巣被害は住宅の防犯対策が不十分な場所を狙って発生します。防犯のためには、玄関や窓など、侵入しやすいポイントをしっかり対策する必要があります。リフォームを活用すれば、防犯性能を向上させ、安心できる住まいを実現できます。本記事では、空き巣が狙う侵入口やリフォームでできる効果的な防犯対策について考えてみましょう。
侵入経路の6割以上が窓から
住宅への侵入犯罪の多くは、窓から行われています。警視庁の調査によると、空き巣は窓から侵入するケースがもっとも多く、全体の6割以上にのぼるそうです。縁側やベランダ、居室の窓など、家中のさまざまな窓がターゲットになります。
戸締まりを徹底していても、それだけでは十分とはいえません。以下では、どのような手口で窓から侵入されてしまうのか見ていきましょう。
窓からの侵入でもっとも多いガラス破り
窓からの侵入手口でもっとも多いのがガラス破りです。これは、窓ガラスの一部を割り、隙間から鍵を外して侵入する方法です。とくに戸建て住宅の被害が多く、被害の6割以上がガラス破りによるものとされています。
ガラス破りが多い理由は、特殊な道具を使わなくても簡単に行える点にあります。バールやドライバーを使って短時間で破壊し、周囲に気づかれる前に侵入を完了させてしまうのです。
泥棒に狙われにくい窓とは?
空き巣の多くは、侵入に5分以上かかると諦める傾向があるといわれています。一般的な窓ガラスはわずか10秒程度で割られてしまうので、狙われやすいといえます。
泥棒に狙われにくい窓の特徴と具体的な対策について見ていきましょう。
割れにくい防犯ガラスを採用する
防犯性を高める方法として、防犯用強化ガラスに変更するのがおすすめです。防犯用強化ガラスは、内部に特殊フィルムが挟み込まれており、ハンマーやバールなどの工具で強い衝撃を加えても簡単には割れません。
万が一割れたとしても破片が飛散しにくく、穴を開けるのに時間がかかるため、侵入をあきらめさせる効果が期待できます。
二重窓で侵入を困難にする
すでにある窓の内側にもう1枚窓を取り付ける二重窓(内窓)も有効な対策です。1枚目の窓が割れたとしても、さらにもう1枚開けなければならず、侵入までに時間がかかります。この時間を稼ぐという点が重要です。
さらに、二重窓は断熱性や防音性の向上にも役立つため、快適な住環境づくりにも貢献するでしょう。
補助錠やロック付きクレセント錠で二重ロックを
窓の鍵を強化するのも効果的です。通常のクレセント錠だけではなく、補助錠を取り付けることでワンドア・ツーロックの状態にし、侵入の難易度を上げられます。
また、ロック機能付きのクレセント錠を選べば、ロックを解除しない限り開けられないため、防犯性がより高まります。
面格子・シャッターで物理的に侵入を防ぐ
窓の外側部分に面格子、雨戸、シャッターを設置するのも有効な対策です。面格子や雨戸、シャッターは見た目から防犯意識が高い家であると示し、空き巣を寄せ付けにくくします。
とくに頑丈な素材の面格子はこじ開け対策が施されたタイプもあり、窓を割られても侵入を防げます。また、雨戸やシャッターを閉めれば物理的に窓へのアクセスを遮断できるため、より安心です。
玄関も防犯対策が必須!安全を守るためのリフォームのポイント
玄関の鍵をしっかり掛けていても、それだけでは万全とはいえません。泥棒は、さまざまな手口で侵入を試みます。玄関の防犯対策も窓と同じくらい重要です。では、リフォームで強化できる玄関の防犯対策について紹介します。
スマートロックで鍵穴のない玄関に
最近、注文住宅やリフォームで注目を集めているのがスマートロック(電気錠)です。従来のように鍵を差し込むのではなく、リモコンキーやカードキー、指紋認証などで開錠するタイプが増えています。
スマートロックが防犯面で優れている理由のひとつは鍵穴がないまたは鍵穴が普段は隠れている点です。鍵穴を狙ったピッキングや工具を使った不正開錠が物理的にできなくなるため、空き巣対策として非常に有効です。
また、玄関からの侵入では合鍵の悪用も問題になります。スマートロックは、物理的な鍵をもたないため、合鍵を作られるリスクも低くなります。さらに、遠隔操作が可能なタイプを選べば、外出先から施錠の確認や開閉の管理ができるため、より安心感が高まるのでおすすめです。
防犯性能の高い玄関ドアを選ぶ
玄関の防犯対策を強化するには、そもそも防犯機能が備わった玄関ドアを選ぶのも重要です。最近では、複雑な構造の鍵穴を採用し、不正開錠を防ぐシリンダーが使われていたり、バールなどでのこじ開けに耐えられるように、頑丈な素材が使用されているドアが登場しています。
さらに、明かり取りのガラス部分に防犯ガラスを採用して割られても侵入しにくく工夫されていたり、取り外し可能なサムターンや一定の力が加わらないと回らない特殊な仕組みのサムターンを採用し、不正開錠を防ぐ玄関ドアもあります。
まとめ
空き巣の侵入経路としてもっとも多いのは窓ですが、玄関からの侵入も少なくありません。窓には防犯フィルムや二重窓、補助錠の設置を、玄関にはスマートロックや防犯性能の高いドアを導入すれば、防犯性を大幅に向上できます。泥棒は侵入に時間がかかる家を避ける傾向があるため、複数の対策を組み合わせると効果的です。リフォームの際には、防犯性も考慮した設備を導入し、安全で安心な住まいを実現しましょう。